起業・スタートアップの不思議

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起業・スタートアップの不思議

起業・スタートアップの不思議

ここ数年前から、世間では「起業」・「スタートアップ」といったキーワードが頻繁に囁かれるようになりました。
Web、SNS上でも、いろんなFab施設でも、国・県・市の政策でも、とにかく 猫も杓子も起業やスタートアップという言葉を毎日毎日発しています。

しかし、なんだか不思議・・・というか、腑に落ちないというか・・・

この状況にかなりの違和感を覚えるのは私だけでしょうか。

なぜ、今、公や支援企業やメディアが起業を煽るのでしょうか?

どのような人達を対象としているのか、よくは解りませんが、とにかく 起業 を薦める動きをよく見かけます。
私の周りでも、金策やセミナー等で起業を支援する、様々なfab・コワーキングスペースで新たな出会いとコラボといった化学反応に期待する、みんなの夢を語り合って励まし合う・・・・
それを支援する、盛り上げる。
起業・スタートアップを取り巻く 様々な活動が慌しく情報として舞い込んできます。

正直、不思議です。

別段、皆がこぞって起業する必要ないんじゃないんでしょうか・・・・?

というより、起業すること自体は簡単です。
今、勤めている会社を辞めて、税務署へ開業届け出すなり、法人の登記をするなり、すぐにでも自分の会社がスタートできます。

ただ、大丈夫ですか!???
そんなに簡単に会社辞めちゃって。

よほどの先見の目と、何らかのズバ抜けた技術や、途絶えない金蔓や、確実な固定客があれば別ですが・・・
そうでもなければ起業して それで生活したり、家族を養ったり、いずれ社員やその家族を養ったりというのは大変 困難なことです。

起業を支援している方々も、多くは起業経験がない方々のようにお見受けします。
税法上は個人事業主でも 大きな組織に属していてその看板で仕事を受け持っているような方、自分自身でゼロから業を起こして安定させていくという経験がない方 が多いのではないでしょうか。

やはり、何らかの組織に属していたり給料を会社から得ている状態では、起業して継続していくことの難しさは知り得ることができません。
そのような状態で、闇雲に 他人に起業そのものを語ったり、薦めたりというのは 何だか不思議に思えてしまいます。
闇雲ではない!と言われるかもしれませんが、いくら表面的な知識や数字や統計だけを見ていても 真を捉えていない状態 では闇雲と思えてしまいます。

確かに、お金も必要なので、融資や助成金等の話も大事だと思いますし、毎月運転していくための”お金の話”というのは大事なところだと思います。
もちろん、人とのつながり・業界でのコネクション等、ネットワークも大事だと思います。
そのような場の提供も良い機会を生み出す要因だとは思います。
しかし、それ以前にもっと大事なことは、そもそも個々が持っている能力やアイディアがビジネスとして成り立つのか、継続・維持できるのか、次の手も、その次の手も、時代や状況に合わせてやり抜いていく底力を持っているのか?ということだと思います。

どうも、その点は各々で・・・という感じで置いてけぼりになって、むしろ その点は大丈夫!努力次第でどうにでも!あなた方がヤル気になれば!なんて 精神論か空想レベルでやり過ごしている気がしてなりません。
というより、そこに殆ど触れてないのでは???

可能性は無限!思ったらやってみるべき!そんなの他の人が否定すべきことじゃない!という危険な魔法の言葉もありますが、多くは、見る人が見れば やってみなくても分かる(結果が見えてる)ことです。

しかも、業を起こして、ビジネスとして継続・成長させていく、社員を抱える、内部崩壊しない組織を作っていく、と様々な能力が必要となりますが、それらのお手本は良い面も悪い面も、既存企業の中でたくさん学ぶことができます。
既存企業の中で雇われながら、さまざまなことを学び、あるレベルの立場に立って、現状と理想と変革と限界とを経験した上で、それでも自分の理想とする会社を立ち上げたいということなら理解できます。
ですが、既存企業の中ですら上手く活躍できず、成り上がってすらいけない状態では、もっと厳しい、吹きさらしの世間で 雨風に打たれながら自分の強靭な城を築いていくことなど到底無理です。

まずは、そういうハードルというか、越えなければならない壁を最初に設けてあげるべきじゃないでしょうか。
現在は、敷居を下げて、誰にでも 簡単に起業を薦めているように思えてなりませんが、まずは様々なハードルを設けて、それを越えていける人達が次のステップへ大きな一歩を踏み出す という支援のあり方でないと、路頭に迷う方がたくさんでそうです・・・・
もちろん、そういう失敗を経て、「やっぱり、なんだかんだ言ってもウチの会社ってスゴかったんだな・・・」「アホだと思っていたけど、会社が続いているだけ ウチの社長ってスゴかったんだな・・・」と、自身で起業してみて 改めて既存企業が倒産せずに残っていることの凄さを思い知って、また会社勤めに戻るというのは、経験上良いことだと思いますが。

と、ここまで言っておいてなんですが
今の会社に不満があり、社長と意見が合わず、ぶつかり合っても社長を変えることが出来ず、自分に理想があるのであれば、じゃんじゃん起業しちゃえ~!
とは 思うんですよ(笑)
実際、私も身の周りで 会社の愚痴を言いながら理想があるような人を見ると、無責任に 「会社辞めちゃえば?」「自分で会社起こしちゃいなよ」と薦めています(笑)
元も子もない話ですが・・・
でも、実際そうなんですよね。会社に勤めるということはそういうことであり、業を起こすということはそういうことなんですよ。

今、起業・スタートアップ支援よりも もっともっと 国や県や市が力を入れるべきではないかな・・・・と思うことがあります。
それは 次回のお話で~

Kazuhiro Ueno

Kazuhiro Ueno

上野 和宏
スタジオディーピーアイ株式会社 代表取締役 / プロダクトデザイナー / クリエイティブディレクター
JIDA(公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会) 正会員

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