子供たちの無限の可能性に触れる―キッズデザインワークショップ

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キッズデザインワークショップ

キッズデザインワークショップ

先日、友人2人が家族連れで事務所へ遊びにきてくれました。
太田真太郎くん(株式会社グラマーアソシエイツ 代表取締役)ファミリー、川畑裕己くん(株式会社白黒.TV 代表取締役)ファミリー。

将来は航空機の設計技師になりたい!という強い想いを抱く8歳 から イタリアンシェフになりたい!という小6年生まで、将来楽しみな子供たちが元気な笑い声と共にやってきました。

”モノがどんな風に考えられ、デザイン・設計され、どんな工程を経て製品へとなっていくのか?”
今回は そんな一連の流れを ぜひ子供達に見せてあげたいという太田くんの要望で、スタートした見学会。
子供だけでなく、大人も なかなか目にすることのない デザインや製品開発の世界へ しばしトリップしていただきました。

まずは ”モノのデザイン” ということについて、どんなことを考えてデザインするのかという説明から始めました。
医療機器のデザインを例に、お医者さんや看護師さんのような医療従事者の立場の方であったり、患者さんであったり、メーカーであったり、様々な立場の人達の真ん中に製品があり、
いろんな人のことを考えて、いろんな案を出して、悩んで、決断して 製品のコンセプトや方針が決まっていく過程をお話しました。

大人も子供もデザインの説明に真剣な眼差し

大人も子供もデザインの説明に真剣な眼差し

子供達の真剣な眼差し。
私が思っていた以上に伝わっているようで、理解してくれているようです。

どちらかというと、一般的には 大人の方が 「デザイン」というものは ”色や形をカッコ良くすること” みたいな先入観を持っていたりします。
そのような先入観がない分、子供達の方がデザインの真の役割を素直に理解できるのかもしれませんね。

「デザイン」はいろんな人達のことを想って、”こうだったらいいなぁ” ということを形として表現していくことだと。

この作業、別のものに例えて言うと、お父さん や お母さん や おじいちゃん や おばあちゃんへのプレゼントを考える みたいなことにも似ているんですよね。
どんなプレゼントだったら喜んでくれるかな? どんなことでいつも ”困った・・・” って言ってるかな? どんなことが好きかな? どんなことなら自分がしてあげられるかな?
いつも肩が凝って痛いって言ってたな・・・ 肩たたきしたら喜んでくれるかな・・・ 肩たたき券をプレゼントしようかな~ のように。
「デザイン」って、いつも誰かのことを想っていて、いろんなことを想像していて、こんな作業に似ているんですよね。

そう考えると、感受性豊かな子供達は 十分にモノのデザインができるポテンシャルを秘めているのではないか?
という期待から、急遽ですが、「キッズ デザイン ワークショップ」を開催することになりました。

お昼ごはんをみんなで食べに行くので、それまでの時間で 考えて、デザイン画を書いて、最後に一人ひとりプレゼン。
お題は「学校にこんなロボットがいてくれたらいいなぁ~」と思えるロボット。

ちょっと難しいかな・・・・ と思いつつも、みんな真剣に悩みながら想像を膨らませています。
簡単に筆が進まないのは、一生懸命考えている証拠。この考える作業 とても大事です。
もちろん、考えずに筆の進むままに身を任せて、自分が描いたものを見て、それと対話しながら案を練ってデザインを進めるも良し。
ひとそれぞれ、いろんなアプローチの方法があります。

とは言え、「な、何っ!???」

私は驚きました。

な、なんと 8歳の男の子がマインドマップを描いているではありませんか!?(笑)
これには驚きました。

しかも、ちゃんと枝葉をそれぞれに伸ばしながら、それぞれの方向性に特化したキーワードを抽出していっています・・・・
恐るべし、現代の8歳児!!

そして、最終的にそこから導き出されたキーワードを元にコンセプトをまとめ、製品アイディアを描き始めました。
かなりプロセス構築できています。

いや、ホント スゴいです。
もちろん、マインドマップを描かなくても、頭の中で同じように発想を引き出せれば良いので、ひたすら頭の中で検討を進めている子供達の集中力もスゴいんですけどね。

想像をはるかに凌いだ、子供たちの「少し未来の、リアルで実用的」な発想

想像をはるかに凌いだ、子供たちの「少し未来の、リアルで実用的」な発想

そして、いよいよタイムアップ!
今回、3人の子供達がエントリーしてくれて、約40分ほどの短い作業時間でしたが、みんながみんな 素晴らしいアイディアを生み出してくれました。
しかも、現実に学校で困っていたり、地域の深刻な問題になっていたり、またはいずれ問題が起こるであろうことまで、この製品で解決できる!という優れたロボットの案をそれぞれに出してくれました。
どれも、技術的にも論理的にも非常に現実的で、需要もあって、実際、作って かなり売れるんじゃないの!? というものばかり。

スゴイ。
想像以上です。

いや、むしろ 完成度高すぎて 子供らしい ”ブッ飛び感” みたいなものがなく、おじさんとしては 少し寂しい気もしますが。
どれも、真剣に考え、いろんな問題をピックアップして、真剣に解決の方法や暮らしが便利で豊かになる方法を考えた故の結果。
本当に素晴らしいデザイン成果です。

3人の キッズデザイナー達の製品アイディア、いずれここでも紹介したいと思います。

それにしても今回は、私の方が非常に勉強になりました。
子供達がこれほどのポテンシャルを秘めているとは・・・・
本当に想像以上でした。

大人向けのデザインワークショップについては以前から企画を進めているところですが、
今後、キッズデザインワークショップの開催もぜひ検討したいな・・・と新たな目標が生まれてしまいました。

実は、大人向けのデザインワークショップは表現方法をどのようにするか考えあぐねていました。
講義も交え、グループでのワークショップ内でいろいろと案を練って、最終的にどのような形で表現させるのか?
CADもCGソフトも使えず、絵も上手く描けない一般参加者に、どうやって表現してもらおう・・・
紙粘土かな・・・ なんて考えていました。
でも、子供達があれだけ描けて、自分の考えを伝えられて、プレゼンするのに十分な資料を作れるのだから、大人だって、手描きで絵を描いてもらえば良いか~と、やっと割り切れました。

子供向けのワークショップや、大人向けのワークショップ、どちらも最近の傾向として言えることですが、
”とにかく やってみる”という企画のものが多いんですよね。
そして、とにかくやってみた結果、それなりの形になって、成果物が動いたり、手に持てたり、やはり成果物がそれらしい。
電子工作や3Dプリンタを使ったものって、確かに、何も考えず言われるままに作業すれば、それらしいモノが最後に残るので、最後に「オォ~」ということにはなります。
でも、コレ、基本的に誰がやっても同じものができるようになっているセオリーやキットが殆どです。
教育の初期段階として、考えるより触ってみる、とにかく真似てみる、どんなことができる機械が身の回りに揃っているのかを知る、ということは非常に大事です。
知らなければ利用できませんからね。

ですが、そこから次の一歩は「自分で考えて、自分ならではの成果物を生み出す」という体験と、そのノウハウの構築が大事です。

その成果物が、本人達が描いた拙い絵だとしたら、恐らく、電子工作や3Dプリンタ系のワークショップの成果物と比べて非常に地味に思えるでしょうし、見る人によってはその地味な成果物に価値を感じられないかもしれない。
しかし、大事なことは、その成果にいたるプロセスであり、自分なりの成果にたどり着くことです。

自分なりのアイディアが出せて、それがある層の人たちに求められて、気持ちや暮らしが豊かになるものだとしたら。
今は一枚の拙い絵だとしても、それは無限の可能性を秘めています。
もちろん、自分なりのアイディアにたどり着き、仕様がまとまれば、あとは詳細設計をして作るだけです!
それこそ、そこからはCADや3Dプリンタや電子工作が活きてくるでしょう。

今まで、大人向けのデザインワークショップの開催にあたって、良い表現手段が見つからず、考えあぐねていたところでしたが、子供達のおかげで私自身、見失っていたものに気づきました。
派手な成果物はいらない。それらしい成果物でなくて良い。3Dプリンタや電子工作のワークショップやCAD・CGセミナーのような華やかな成果物でなくて良い。
形なく、見えないことろにこそ価値は存在している。
その成果にたどり着くプロセスを参加者が構築していけることに大きな価値がある。

これで、デザインワークショップ 満を持して開催できます!
ありがとう 子供たち~!

記念に集合写真

記念に集合写真

ということで、若干話が脱線しましたが、最後にみんなで記念撮影。
子供たちもやり切った感と自信がみなぎっているのか、みんな良い表情です。
今回は成り行き任せの「キッズデザインワークショップ」となりましたが、これを機に、ぜひ、今後改めてキッズデザインワークショップ & 大人のデザインワークショップ を開催したいと思います。

それにしても、この子たちの将来が楽しみですね~
みんな ありがとう!

Kazuhiro Ueno

Kazuhiro Ueno

上野 和宏
スタジオディーピーアイ株式会社 代表取締役 / プロダクトデザイナー / クリエイティブディレクター
JIDA(公益社団法人 日本インダストリアルデザイナー協会) 正会員

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