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「目的」と「手段」が真逆だった! だから、話が噛み合わない。

「目的」と「手段」が真逆

どおりで話が噛み合わない。立場が違えば当然かも。

皆さん こんにちは。プロダクトデザイナーの上野です。
突然ですが、誰しも 話が “噛み合う方” と “噛み合わない方” が少なからずいますよね。

私の場合、話が噛み合わない ということは割と少ないように感じていたのですが、最近「この方とはどうにも話が噛み合わないな・・・」と感じる方とチラホラ出会うようになってきました。
そして先日、なぜ噛み合わないのか、はっきり分かりました。

話が噛み合わない理由が分かりました。

相手と私とでは、「目的」と「手段」がまるで逆だったのです。

それでは噛み合うはずがありません。どちらが良いとか悪いとかではなく、立場や目指すものが違うので、当然のことだ と自分なりに納得できました。

金融機関・投資事業の方と事業者との立場の違い。

ここ1~2年のことですが、金融関係の方や投資事業の関係者の方とお話をする機会が少しずつ増えてきました。”融資は受けたいが投資を受けることには興味がない” という私ですが、せっかくの機会なのでいろんなご意見もいただきたく、弊社が別事業で進めている自社プロダクト事業のお話をすることがあります。

「自社の持っている技術とノウハウで、自身の理想とする製品を世に送り出したい。」「革新的な製品をたくさんリリースして、ブランドを確立したい。」 日頃、プロダクトデザイン事業としてお客様に対して弊社が実施していることですが、こと、自社プロダクトのために力を振るうとなると、何より先に、まずは潤沢な事業資金が必要となります。資金や時間さえあれば、技術やノウハウは十分にあるので 何も悩ましいことはなく、黙々とモノを作り、プロモーションし、売り、事業を進められます。特段、出来ない理由はありません。

しかし、どんなに製品開発技術やマーケティングノウハウ、製造のネットワークなど能力的な部分が確保できていていも、資金か時間かいずれか揃わない要素があると、極端に事業を進めることが難しくなります。というより、進めることができません。資金調達の有用な情報に辿り着ければ嬉しい。そう思い、投資事業関係の方には相談気味に自身の事業のお話をすることがあります。

すると、投資関係の方からは、「それ、自分のところで作るから事前に資金が必要になり、大変なんじゃないですか?どこか、他のメーカーに委託して出来上がったものを買って、すぐ売れば(卸せば)、すぐに回収でき、事前の資金も少なくて済む。自社で作らないで、ファブレスでやれば良いんですよ。」という内容のアドバイスをいただくことがあります。きっと、他でもそのようなアドバイスをよくされているのでしょう。これこそがモノづくり事業をよく知る者の正解だとばかりに。

いや・・・それでは元も子もありません。その上、自分で言うのも何ですが、それは「釈迦に説法」というものです。こちらはモノづくりのプロフェッショナルです。自社にしかできないレベルの至高のプロダクトを作るメーカーとして事業を行う上で、実際に製造委託した結果も踏まえて、あらゆる手段を模索・検討の上、ベストな製造スタイルは自社内で行うことだと判断しているのですから。

「手段」と「目的」。

長くなってしまうので詳しい話は割愛しますが、私は実現したい事があり自社プロダクト事業を始めました。それは誰にでもどの会社にでも実現できる内容のことではなく、私だからできることで弊社だからできることです。だからこそ、私がやる意味がある。恐らく私に限らず、何かしらのメーカーやサービスの事業を立ち上げた創業者はその意味や意義のようなものを抱いて、それを実現すべく事業を進めているのではないでしょうか。大げさに聞こえるかもしれませんが、私は命がけでそれを実現しようと日々奮闘しています。そしてそのために資金が必要なのです。

私にとって、
資金=お金=数字 は「手段」です。
自身の思い描いたものを実現することが「目的」です。

当然、企業ですから、持続可能な売上を立て、資産を築き、数字を積み上げていかなければならないので、事業の意義の先には数字があります。それでも、私にとっては数字が目的ではありません。意義あることが実現できれば、数字はついてくる(当然、どれだけのことをすればどれだけの数字がついてくるかの目算はしますし、目指します)と考えています。

〇「儲けなければならない」ではありますが、
×「儲ければ良い」ではありません。

しかし、投資や融資を行う企業にとっては、そんなことは関係ありません。儲ければ良いのです。数字が得られれば良いのです。1億円を使って、結果1億1,000万円になれば良いのです。そのための手段は何でもよい。極端な話、法に触れなければ何でも良い訳です。できるだけ手堅く、リスク少なく、他の利益を上げている企業と同じようなことを同じようなパターンでなぞる様に、数字が数字を生み出せば、それで良い。むしろ、安心できる既存のパターンにハマる方が良いのです。

つまり、
お金=数字 が「目的」です。
投資・融資先の事業は「手段」です。

ですから、投資・融資をする企業にとって、その先の事業者の夢や意義には基本的に意味がなく、その会社にしか実現できないという “今はまだ形になっていない何か” というのは、理解し難くリスキーなものでしかないと言えます。

でも、その感覚は当たっていて、今はない革新的なサービスや製品を作り上げると語る企業の内、本当に実現できるのは、0.1%(感覚的な数字ですが)もないのだと思います。本当に実現できる事業者が0.1%存在したとしても、それを見極めることはできない。だから、他の99.9%同様、そのような事業者には融資も投資もしないのが賢明です。

0.1% と 0.1% の存在が出会えればラッキー。

ベンチャーキャピタルのような企業であれば革新性の部分についてはまた別の見方や評価基準を持っていると思いますが、それでも、目的と手段という意味では、他の融資・投資企業と同じでしょう。

しかし、そんな中でも担当者単位では、同じく0.1%程度と言って良いか分かりませんが、私の実現したいことや意義をご理解いただける方、ご支援いただける方もいるのではないかと思います。
会社を法人化し、最初にご融資いただいた銀行のご担当者の方はきっとそんな方でした。また、そんな方に出会えたらラッキーです。ぜひ、出会いたい。

0.1%の理解者と0.1%の実現できる事業者が出会えることはなかなかないのかもしれませんが、どこかにはそんな方がいるのだと思います。だから、これからも 金融・投資事業をされている方、クラウドファンディング、様々な方々と出会える機会があれば、期待と希望をもって自身の実現したい事業の話をしていこうと思います。99.9%理解されないかもしれませんが。

ただ、幸いなことに、融資・投資事業の関係者以外でははりまあすが、完全には理解していただけていなくても共感していただける方たちは私の周りにいます。これからも、同じ方向に一緒に歩んでいただける方たちとたくさん出会い、確実に思い描いた世界を実現していきます。

少しずつ前に進んでいますので、見える形として示せる状況に徐々に近づいてはいますが、まだ本気で動けるほど資金が潤沢ではありません。事業を加速する上で資金はまだまだ必要なので、今後も融資は大歓迎です(投資を受けることは興味ないですが)。

まとめ

最後に話を戻すと、
目的 と 手段 が逆なので、それは話が噛み合うはずないですよね というお話でした。

※ちなみに、SWOT分析や売上シミュレーション、収支計画等、事業プランはきちんと練った上で進めますので、夢だけ追いかけて数字がどうでも良いという極端なドリーマー思考ではありません。

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