ブレていないからこそ昨日「右」と言った社長が 今日は「左」と言う。

社長が見ているもの と 社員が見ているもの の違い。
皆さんこんにちは。そして、だいぶご無沙汰しています。プロダクトデザイナーの上野和宏です。前回の投稿から、だいぶ時間が経ってしまいました。 先日、私のブログ記事をご覧いただいた方から共感のご連絡をいただき、背中を押されましたので、また色んな事を綴っていこうと思います。
今日はプロダクトデザインの話題から少し離れて、会社組織のあるある話を。 といっても、デザインプロジェクトや製品開発におけるプロジェクトでよく遭遇するシーンについてです。
「社長、昨日言った事と違うじゃないですか!?」
「昨日は右と言ったのに今日は左って言うなんて、社長ブレている!!」
のような、よく耳にする現場の不満について少し触れてみましょう。
違う景色を見ているから、言葉も変わる
社長やリーダーは 遠くのゴール を見ています。そこには、まだ誰も辿り着いていない未来が広がっています。 一方、社員は 今この瞬間の足元 を見ています。 現場で起きている問題、目の前のタスク、顧客の声──。 この「見ている景色の違い」が、同じ言葉を交わしているはずなのにすれ違いを生む原因になります。
「ブレている」のではなく、「修正している」
現場でよく耳にするのがこんな言葉です。
「方針がコロコロ変わる。社長はブレている」
でも、それって、本当にブレているのでしょうか?
社長の頭の中には、ゴールまでの地図があります。昨日は「右へ進め」と言ったけれど、今日になって新しい情報が入った。 「右へ行けば遠回りになる」と分かったから、最新の情報を基に最適なルートにアップデートした結果、「左へ行こう」と言う── ただそれだけです。
ゴールは変わっていないんです。 変わっているのは、「そこへ至るまでのルート」。 これはブレているのではなく、軌道修正しているということなんですね。
視座の違いが生む誤解
社員からすると、社長の頭の中までは見えません。 だから「昨日と今日で言っていることが違う」と受け取ってしまう。 でも、社長はその場その場で「最善」を選び続けているだけです。
この視座の違いに気づけると、コミュニケーションが大きく変わります。 リーダーの意図を正しく理解しようとする姿勢が生まれるし、逆にリーダー側も、スタッフが足元しか見えていないことを理解した上で、「なぜ方向を変えるのか」をきちんと説明する必要があるのです。
立場の違いを越えるコミュニケーション
日本のビジネス文化には、この「視座の違い」を埋めるための方法のひとつに、立場の違う者同士が一緒にお酒を楽しむというものがあります。 所謂、「飲みニケーション」ですね。
残念ながら、時代の流れで最近はそういう機会が少ない世の中になってきていますが、職場から離れてリラックスできる場所で、ざっくばらんに語り合うことで、普段は見えてこない“相手の人となり”が見えてくるんですよね。「なぜその言動に至ったのか」を知るだけで、同じ発言をされても受け止め方は変わります。
「たまたま上司だから」「どうせ社長には社員の気持ちは分からない」そんな距離を置いたままでは、理解は進みません。立場の違いを越えてコミュニケーションを重ねることで、相互理解が深まり、チームはひとつにまとまりやすくなります。
結果として、プロジェクトもスムーズに進みますね。
チームが一つになるために必要なこと
同じゴールを目指していても、立場によって「見えている世界」が違う。 だからこそ、リーダーはゴールのイメージを言語化して共有する必要があります。「なぜこの決断をしたのか」「どんな未来を描いているのか」これを伝えるだけで、チームの迷いはぐっと減ります。
逆に、社員側も「社長の言葉だけで判断する」のではなく、「社長が何を見ているのか」を想像しながら動けると、ずっと楽になります。
まとめ
「昨日は右、今日は左」と言われると、どうしても不安になりますよね。でも、それはブレているからではなく、ゴールに最短で辿り着くための軌道修正なのだとしたら── 。
社長と社員、リーダーとスタッフ、立場が違えば見える景色も違う。だからこそ、互いの視点を理解しようとすることが、チームを同じ方向へ進ませるための一歩になるのだと思います。 この視座のギャップを埋めて、楽しく気持ち良くプロジェクト進行をしたいですね。
あ、でも本当にブレっブレっの社長やリーダーの場合もありますから、
ちゃんと見極める事が重要ですね。
- 投稿者: 上野 和宏
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